水素水にまつわる議論 その1

水素水についての議論

水素水にまつわる議論

産経ニュースにて太田成男教授と唐木英明教授との水素水についての議論が白熱している。

発端は5月16日に掲載されたニュースからだった。

(1)美容、ダイエットと何かと話題の「水素水」 実はかつてブームを巻き起こした「あの水」と同じだった…

これに対して太田教授は5月24日の産経ニュースにて以下の反論文を寄せた

(2)「『水素水』はかつてブームを巻き起こした『あの水』と同じだった」…産経ニュース記事に日本医科大の太田成男教授が反論

さらに5月30日の産経ニュースには唐木東大名誉教授が太田教授の反論文にさらに反論文を寄せたのだ

(3)日本医科大の太田成男教授の主張には明らかな誤認がある 公益財団法人食の安全・安心財団理事長・唐木英明(東大名誉教授)

この教授同士の産経ニュースを通したやりとりにネット上は俄かに湧きだっている。

これらのニュースの概要は以下の通りである。
・水素ブームが起こっている
・しかし明治大情報コミュニケーション学部の石川幹人教授が運営するサイト「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」にて「疑似科学である」と結論付けた
・石川教授は、

「今話題の水素水の多くは、電解還元水のことで、かつてアルカリイオン水と呼ばれたもの」

と指摘
→これに対しての太田教授の反論

「話題の『水素水』 かつてブームを巻き起こした『あの水』と同じだった…」を、「話題の『水素水』の一部は、『あの水』と同じだった」と書かなくてはならない

さらにこう付け加えて

確かに、以前アルカリイオン水製造機として販売していたのをそのまま「水素水製造装置」として名前を変えて販売している会社が少なくとも2社あることは私も知っている。しかし、「今話題の水素水の多くは、電解還元水のことで、かつてアルカリイオン水と呼ばれたもの」と書いてはならないだろう

これについては現在の水素水を取り巻く状況の一端を端的に表しているやり取りと言える。

太田教授や白畑教授を初め、水素水を真剣に研究されている方がいる一方でH6oなどというものを持ち出したり、癌に効くなどと言って売り付けたりする人もいる。

世の中は~水といった機能水に対して「似非科学だ」という懐疑的な空気があるため、(実際詐欺などにも使われていた背景があるため)最近出てきた水素水に対しても懐疑的になっている。

そこで「H6o」や「癌に効く水」といって販売されていたという情報が出回れば水素水全てひっくるめて「やっぱりインチキだ」という烙印を押されてしまう。

ネット上でも水素水はよくやり玉にあげられるが、似非科学として「叩きやすい」ものであるという性質があるためだろう。

ある意味、正当な水素水は風評被害に遭っていると言える。

・石川教授はさらに

「ヒトへの健康効果についての具体的な研究成果と呼べるものはないといってよい」「仮にヒトに対しての抗酸化作用があったとしても、そこから健康効果に結びつけるためにはまだいくつもの段階を経る必要があり、仮説検証を繰り返し行わなければならない。具体的な疾患への効果などは『まだよく分からない』とするのが妥当」

とも指摘

・石川教授は

「今話題の水素水の多くは、電解還元水のことで、かつてアルカリイオン水と呼ばれたもの」

と指摘。
→これに対しての太田教授の反論

石川教授のサイトでは、活性水素水(電解還元水)のみを対象としており、水素水を一切対象にしていない。さらに、質問コーナーでは下記のように活性水素水と水素水が別物である事を明記している。

しかし以下のことも申し添えている。

「活性水素水は、ニセ科学である。」という結論については私も異論はない。一方、分子状水素の医学的研究は、着々と正統的科学のプロセスを踏みながら進んでいる。

→これに対して唐木教授は以下のように述べている

水素の作用は活性酸素消去と関係があるのかなど明らかにすべき課題は多いが、研究自体はまじめな科学であり、私自身、水素水による治療研究をニセ科学と考えたことはない。

この辺りの名称のややこしさ問題は水素水の最初の記事でも紹介したが、この辺りは水素水について良く知らない一般人からするとややこしい名称であり、混乱の元となる。

・東京大の唐木英明名誉教授は

「水素濃度が低い。胃の中で消えてしまう。どのような作用を発揮して疾病治療につながるかの説明がない、市販の水素水に効果があるかと言われれば、ゼロだろう」

と指摘
→これに対しての太田教授の反論

「濃度が低すぎる」というのは何をもって低すぎると言っているのか根拠がなく、「どのような作用かの説明がない」というのは、そのコメントした方が知らないだけだと推察する。もし、知っていたらこのようなコメントはでないはずだ。

さらに以下のように付け加えている

なお、多くの臨床研究では市販品の水素水や水素発生装置が使用されており、有意な結果をだしており、「市販の水素水に効果があるかと言われれば、ゼロだろう」というコメントは明らかに間違いである。

・(1)の記事に対して太田教授は

「正しい水素医学と水素産業の理解のためにあの産經新聞の記事には、明らかな誤認がある!」

と指摘
→これに対して唐木教授の反論

「批判は筋違いである。それは「水素水は科学か、ニセ科学か」という問いは成り立たず、「使い方でどちらにもなる」という国の規制をご存じないからである。」

と冒頭で述べている。具体的には以下のような論調だった。

産経ニュースが取り上げたのは、「健康食品としての水素水」である。健康食品を使うのは病人ではなく健康な成人であり、その目的は病気の治療ではなく、健康の維持・増進である。だから、健康食品の機能を表示するためには「健康な成人での臨床試験」が必要である。

とし、さらに

「健康な成人での臨床試験」はあるのだろうか? 現在のところ、予備的な研究はあるものの、健康食品としての効能を示すような確実な研究結果はない。

と述べている

これは確かに私も調べていて思った。

虚血再灌流傷害とか急性腹膜炎など、水素水について書かれた論文で出てくるのは疾患を持ったマウスやヒトでの場合で健康なヒトをさらに健康増進させたというものは見当たらなかったのだ。

この辺りはまだ本格的なヒトへの臨床試験は研究段階だからという事情はあるだろう。

(2)の記事の中で太田教授は「現在は50人-200人を対象とする臨床試験が進められている」とも述べている。

この臨床試験がどのようなものかは書かれていないのでわからないが、それほど大規模なものということであれば健康的な成人を対象とした実験かもしれないという期待はある。

・(2)の記事の中で太田教授は以下のように述べている。

現在は人を対象とした研究論文が20報程度報告されている。少人数でも統計的に有意な効果が示されているので、水素は大きな効果を発揮することが明らかにされている。

→これに対して唐木教授の反論

「太田氏は「健康食品としての水素水」の議論に「病人の治療に有効」という主張を持ち込むという誤りを犯した。」

(2)の記事では最後に太田教授は

「知らないのに知ったかぶりして、間違った情報を発信するのは科学的でない。」

と切り捨てている。これに対して唐木教授は

「知らないのに知ったかぶりして、間違った情報を発信するのは科学的でない」。これらは私が太田氏から頂いた批判だが、そのまま太田氏にお返しする。

と言い返している。

専門に研究されている教授クラスの方々が「知ったかぶりだ」なんて言い合いをしているのであれば、私を含めた一般人なんて水素水について「インチキだ」とか、「いや本物だ」とか言えたもんじゃない。

ちなみに石川教授は記事の中で

「研究途上のものは、場合によっては効果がないだけでなく、有害という結果が出る恐れもある。一般市民に向けて利用を促してはいけないと科学的に判断すべきだ」

と述べているが、当ブログ記事「水素水についての考察 その5「現在国ではどのように取り扱われているか」」で紹介した通り、水素は添加物としては国から承認を得ている。

このため、摂取しても有害でないということは少なくとも国から認められていると言える。

水素水について議論がどうしても似非科学だ、詐欺だ、インチキだとなってしまう背景には水素水自体は研究の段階で、ヒトへの臨床試験もこれからというところにもかかわらず、すでに世の中に水素水が「美容、健康に」と謳い大体的に売りに出されているという実情がある。

まして、研究者間でもこのように議論が尽きていない状況であれば市場は水素水に対してどのような認識を持ったらよいのか分からず、混乱してしまうだろう。

個人的には水素水に対してはやはり「まだ分からないもの」と思って飲むのが一番だと感じる。

スーパーの一角にも伊藤園の水素水コーナーが出来るほど、水素水が世に出始めている。

伊藤園の売り上げを見ればほかの飲料会社も水素水会社に乗り出してくるだろう。

そのころには水素水についての研究がさらに進んでいることを期待したい。


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