水素水についての考察 その7 「水素は水に溶けるのか」

水素分子は水に溶けるのか

水素ってそもそも水に溶ける?

ネットで口コミを検索していると水素水は水に溶けないんじゃないかという書き込みを見る。

水素は少量なら水に溶けるという知識はあるのだが、果たしてどれくらいまで水素は水に溶けるのだろうか、調べてみようと思う。

そもそも「溶ける」って?

当たり前のように「塩が溶かす」とか、「水素が溶けない」と言っているがそもそも”溶ける”とはどういうことなのだろうか?

溶質がイオン化すれば(H+になれば)溶けるといえるのか、それとも単に水分子と混ざり合えば溶けると言えるのか。

子供に聞かれたときに詳しく答えられる人は実は少ないのではなかろうか。

ということでまずは「溶ける」という現象についてを調べる。

溶けるというのは即ち溶解するということだが、理化学辞典では「気体、液体、または個体物質がほかの気体、液体または個体物質と混合して、均一な相の混合物すなわち溶体を生ずる現象をいう」と書かれている。

この定義で大事な部分は「均一な」というところだろう。

均一、というのはミクロなレベルで見ても均一であることが必要だ。

水に石鹸を混ぜた時のようにコロイドになっていては溶解したとは言えないのだ。

また、溶媒が水のような極性分子だったときは極性があるかどうかが一つの判断材料になってくる。

極性とは分子内に存在する電気的な偏りのことだ。

化学で習った水分子の形を思い出してほしい。

水分子は酸素と水素からできている分子であるが、酸素の横についている2つの水素はまっすぐ伸びているのではなく、お互い104.5度という角度で開いている。

これが分子全体でみると電気的に偏った形になるのだ。

極性分子としては水分子のほかにアンモニア分子、塩化水素などがある。

より詳しく知りたい場合は↓の動画を参考にするとよいだろう。

この極性があると同じ極性分子である食塩の場合は↓のように塩素とナトリウムの原子が水分子との分子間力によりバラバラになり、水に「溶ける」のだ。

水と水素分子は混ざるのか

以上の事から水素分子が水に溶けるかどうかは自明になってくる。

水素分子は水素原子が二つで出来ているので180度で繋がっている。

このため、電気的な偏りはないため、水素分子は無極性分子だと言えるだろう。

つまり、極性分子の水分子と無極性分子の水素分子は溶けにくいということになる。

しかし完全に混ざらないというわけではなく、炭酸水のように二酸化炭素が水に少量溶けてイオン化した炭酸になるということはある。

水素分子の場合はイオン化して溶けるわけではなく、水分子の間に気体状態の水素分子が入り込んでいるという状態になる。

均一になっているのなら理化学辞典に載っている定義的にも溶けていると言える。

常温、常圧化では1.6ppmが水素が水に溶け込む限界と言われている。

ちなみにppmとはmg/Lのことであり、1.6ppmとは1リットル=1キログラムの水があれば1.6mgの水素が溶け込んでいるということである。

微量だが水素分子は溶けると言える。

水素水を取り扱っているページには1.6ppm以上の記載があるけど…

現在市販されている水素豊富水の商品には1.6ppm以上の水素が入っていると謳っているものがあるが、注意して見ると「充填時」という記載があるはずだ。

圧力が大きな条件下では水に溶ける水素の量はさらに増える。

これはヘンリーの法則として知られていることだ。

ヘンリーの法則
→「一定の温度において、一定量の溶媒に溶けることができる気体の物質量は、その気体の圧力に比例する」

1.6ppm以上の記載がされている商品はこの充填時、つまり高圧条件下で計測された数値であり、実際に私達が飲むときの溶けている水素の量は異なる。

ここは気を付けておかねばならない。

逆にいえば「充填時」という記載がない商品については含有量に疑問を持たなければならない。

私たちが高圧条件下でその商品を飲むのならまだしも、日常で飲むなら1.6ppm以上にはなりえないからである。

また、水素水サーバーには20000ppmなどという桁外れの数値を記載しているものもあるが、これにも給水口で図った数値だとか、水に何%の水素ガスを混入していることを指しているなどという注意書きがあるはずだ。

つまり、サーバーから出た瞬間、立ち上る泡と共に水素は一気に失われているのだ。

数十分時間をおけば1.6ppmか、それ以下になってしまうだろう。(もちろん、それについての注意書きもされているはず。)

つまり、記載通りの20000ppmの水素が入った水を飲みたければ給水口に口を付けて直飲みするのが一番なのである。

もちろん、口の中で咀嚼せず、一気の飲むことが重要だ。

飲んだ瞬間、口の隙間や鼻の穴からどんどん水素は逃げていっている。

なるべく体の中心部に水素を持っていきたいなら水素分子が水分子と一緒になっているうちに水を素早く飲み下すことが重要だ。

パウチやスティック型、アルミ缶に入っている水素豊富水の商品ページをいくつか見てみたが、1.6ppmより上回っているものはなかった。

問題は飲んだ水素がどこまで体に行き届くのかで…

水素分子が水の中に溶けてる事や溶けている量について調べてきたが、やはり重要なのは飲み込んだ水素が体のどこまで行き届くのか、ということだ。

全身の、それこそ頭の天辺から足の先っぽまで届くのか、胴体部分までなのか、口や食道、胃などの消化器官の深いところまでなのか、表面細胞くらいまでなのか、はたまた口の中までなのか。

1.6ppmという量から考えるとは頭の天辺から足の先っぽまで届くということは考えづらい。

それまでに消化液や消化器官の粘膜、血液などを経由するわけだからそれまでに水素分子は何かした反応しているはずだ。もし活性酸素と結びついて水なるのならば。

1.6ppmというごく少量で体の隅々まで行くというならば水素分子はニュートリノのように体の中でなんの反応もせず、ただ高速で細胞間、分子間をすり抜けていく物質ということになってしまうからだ。

個人的には水素分子が体内に取り込まれたとしても何らかの作用するのは口から胃の粘膜までだと思う。

しかし、論文には水素豊富水の消化器官以外の作用に関する研究論文がいくつか提出されていた。

次回は体に取り込まれた水素分子はどこまでいくのか、調べて考察してみたいと思う。

次の記事→ 水素水についての考察 その8 「水素は体のどこまで行き届くのか」
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蛇口に取り付けるタイプの水素水サーバーもあるようだ。
これなら蛇口をひねれば水素水が出てくるので手間がかからないかもしれない。